あれ?忘れっぽくなった?記憶と脳の仕組み

スポンサーリンク

年齢とともに記憶力が悪くなった気がして、「あぁ、年のせいかな?」と、不安になったり、不便を感じたりすることもあると思います。そもそも、覚える、記憶とはどんなメカニズムなのでしょう?

今日は記憶と脳の仕組みについてご紹介していこうと思います。

スポンサーリンク

記憶は大きく分けて二種類

一般的に「記憶」と言うと、昔のことを思い出すことや、歴史の年号とか数学の方程式を覚えているか?という、過去の記憶の蓄積をイメージすると思います。しかし、記憶には大きく分けて「短期記憶」と「長期記憶」の二種類が存在するのです。

短期記憶の名称を見ると「あ、一夜漬けでテストの前に記憶することかな?」と感じますが、実はもっともっと短い記憶を指します。

短い時間だけ残る「短期記憶」

学校で黒板の内容をノートに写すには、一度内容を覚え、黒板から目を離してノートに書き写します。このように、数十秒の短い時間だけ覚えている記憶を「短期記憶」といいます。短期記憶はすぐ忘れてしまいます。

また、もっと短い記憶もあります。私たちは目で見たり耳で聞いたり肌で感じたものを数秒以下で情報選別する能力を持っています。この神経が無意識に短時間で感じ、反射することも記憶の一種と分類されることがあります。名称はさまざまですが即時記憶などと呼ばれて短期記憶の一種とされることがあります。

長い間残る「長期記憶」

すぐに忘れる「短期記憶」ではない記憶は「長期記憶」と呼ばれます。「昨日の夕食は何だったか」と言うような少しの間だけ残っている記憶や、「歴史の勉強をして年号を覚えた!」と言った、勉強して身に着けた記憶のように、ずっと残る記憶などを指します。友達の名前と顔を覚えているのも、初恋の人の誕生日を覚えているのも長期記憶です。これらの頭で覚えている記憶を「陳述的記憶」などと言います。

また、体で覚えたような記憶も長期記憶の一種です。例えば、自転車に乗れるようになった人は、数年間自転車に乗らなくても乗り方を覚えています。スキーや車の運転など、私たちが「練習して体で覚えた」と思っているものは、脳が記憶しているもので「手続き記憶」などと呼ばれます。

認知症などの記憶障害になった方は毎日の出来事を覚えることが困難でも、食事の時に箸を持ち茶碗をもって食事をすることや着替え、洗顔、歯磨きと言った行動はごく普通に行うことができます。長期記憶の中でも「手続き記憶」と呼ばれる無意識の記憶は、とてもしっかり身についている記憶なのです。

脳は新機能を加えながら進化してきた!

RIKEN Brain Science Institute

約5億年前に地球上に現れたと言われる脊椎動物はホヤの幼生のような生き物だったと考えられます。

脳のはじまりは長さ2㎜、直径0.2㎜ほどのチューブのような「神経管」がつくられ、それが発達したものだと考えられています。どの脊椎動物も「脳幹」「小脳」「大脳」を持ち、それぞれ発達の仕方が違います。

魚類や両生類や爬虫類までは、脳幹が脳内のほとんどを占めています。脳幹は生命維持を司る脳です。生きるための反射や捕食、交尾といった本能的な行動を司ります。爬虫類はわずかに大脳辺縁系(大脳の一部)が出現します。大脳辺縁系は人間では喜怒哀楽、つまり感情を司る部分です。

鳥類、哺乳類になると小脳と大脳が大きくなります。大脳の新皮質が発達して「感覚野(視覚、聴覚、嗅覚の発達)」「運動野(細かい運動神経の発達、発声など)」という新しい脳の機能を持つことができるようになるのです。

鳥が美しい声で鳴き、渡り鳥が地図もないのに何万キロもの旅をすることができるのは、小さな体に見えるけど、脳がとても発達したからなのかもしれませんね。

そして、人間が人間らしい感情や意識を持つのは大脳の前頭葉(前頭葉連合野)がとても発達したからです。人間は複雑な記憶と思考を繰り返し、発想したり行動したりします。これは他の哺乳類よりずっと発達した前頭葉を使うことができるからなのです。

記憶のある場所

人間の脳はいくつかに分けられます。生命活動を司る「脳幹感情や思考を司る「大脳細かい動きを記憶する「小脳。人間が感情豊かな生き物なのは大脳がとても発達しているからです。

さて、「長期記憶」はどこに残っているのでしょう?長期記憶は大脳に蓄積されています。この長期記憶の出し入れに重要なのが脳の中にある「海馬」という部分です。海馬は新しい記憶を蓄積することはできず、どんどん大脳に記憶させていき、必要な時に取り出す機能を備えています。

しかし、海馬はデリケートで、加齢や疾病で損傷を受けた時に機能を低下してしまいます。それが記憶障害になるのです。新しい短期記憶が海馬を通して大脳に送り込むことができなくなったり、最近のことなのに思い出せないというのも海馬の働きが悪いことが考えられます。

しかし、事故や病気で海馬を完全に失った人も、古い幼い日の記憶を思い出すことがある報告があるそうです。大脳に残されている記憶失われずに残っていることがわりますが、海馬を無くしても何故、古い記憶が蘇ることがあるのか?という謎は、まだはっきりと断定できず、研究が重ねられています。

長期記憶の中でも体に身についた手続き記憶は小脳に記憶されていると言われています。しかし、小脳についてもまだとても謎が多く、明確な仕組みは解明されていません。

まとめ

人の意志のほとんどは記憶の蓄積です。そして知的な記憶は大脳に、身体に身についている記憶は小脳に記憶されているというのが、一般的な解釈です。

長い年月をかけて進化し、新しい機能を兼ね備えた人間の脳のあらゆる場所に、私たちは記憶を宿し海馬を通して思い出しているのです。脳や記憶の仕組みはとても奥深いので、またご紹介させていただきます。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする