北朝鮮のICBMってどんなミサイル?

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北朝鮮朝鮮戦争に勝利したとする7月27日に、なんらかのミサイルが発射されるのではないか?と懸念されていましたが、とうとう28日の深夜今年12回目のミサイル発射が行われてしまいました。

今回発射されたミサイルは7月4日にも発射されたICBMと呼ばれるミサイル。ニュースでもネットでもこれからも何度も見聞きする言葉になりますが・・・さて、ICBMってなんでしょう?性能の高いミサイルなのだろうという予想は付きますが、具体的にどのようなミサイルなのか、筆者は興味があるので調べてみました。

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ICBMは大陸間弾道ミサイル

ICBMは、Intercontinental ballistic missileの略語で、「大陸間弾道ミサイル」と訳します。Intercontinentalという単語は「大陸の向こう」とか「大陸間」という意味があります。とにかく遠くに飛ばすミサイルなのです。弾道ミサイルのうち、射程距離が5500㎞以上のものを大陸間弾道ミサイルと言います。

5500㎞のイメージは、北朝鮮の平壌からインドネシア位、北朝鮮が狙っていると思われるアメリカの領土で考えると、アラスカの西端に届く位です。

しかし、この5500㎞というのは、すでに古い基準で、かつて核大国として対立していたアメリカとソ連(今のロシアなど)が、核兵器の削減交渉をした際に決められた基準値なのです。今の大陸間弾道ミサイルは、もっと遠い射程距離があります。ICBMの実際の射程範囲は通常、8000㎞から1万㎞程度になると予測されています。1万㎞の射程だと、平壌からアメリカの西海岸の大都市であるロサンゼルスサンフランシスコが射程範囲に入ってくるのです。

ICBMを最初に作ったのはソ連

世界最初のICBM1957年に初の人工衛星スプートニク1号の打ち上げに使用されたソ連のR-7

第二次世界大戦後は、ソ連が飛行距離の長いミサイルをどんどん開発していました。その技術は、宇宙開発へと繋がっています。

ソ連はスプートニク1号の打ち上げに成功してから4年後の1961年に世界初の有人宇宙飛行としてボストーク1号の打ち上げに成功しており、世界初の宇宙飛行士ユーリイ・ガガーリンを宇宙に送り出しています。ボストーク1号はR-7ミサイルの改良型なのです。

ICBMを持っている国

米国、ロシア、中国、インド、イスラエルの五か国でICBMが保有されてきました。北朝鮮はこの五か国に続いて世界で6番目のICBM保有国になったのです。

この6か国すべてが核弾頭を保有する国です。つまり、ICBMに核弾頭を装備して、遠い国に核爆弾を発射することができるのです。

ICBMの保有と核弾頭の保有は、強い軍事力を持つうえで大変大きな役割を果たしているのです。世界軍事力ランキング

北朝鮮のICBMは精度を上げてきている

北朝鮮のICBMの打ち上げが成功するのは、アメリカにも想定外だったようです。ICBMは一度大気圏の外(宇宙)まで打ち上げられ、その後、再度大気圏に突入し、音速を超えるスピードで落下して標的を狙います。そのため、大変な高熱に耐えられる構造が必要なのです。さらに、長距離の射程を維持するための燃料を十分に備蓄し、大気圏に再突入するまでの遠隔操作も高度な技術を必要とします。

北朝鮮は2012年に人工衛星の打ち上げに成功しています。この時に、ICBMの原型となるロケットを使っていますが、各国は北朝鮮の技術では、宇宙空間から大気圏への再突入をする耐熱性を持った弾頭を作るにはかなり歳月を要すると考えていたようです。

今回の北朝鮮のICBMは「火星14」と言われますが、2017年の5月14日に発射された火星12までは中距離弾道ミサイルでした。中距離弾道ミサイルでは、どんなに長くても射程距離が5000㎞、核弾頭など、攻撃力があるけど重い弾頭を装備するならせいぜい3000㎞が射程範囲だと考えられていました。

ところが、ICBMである火星14が初めて確認されたのが先の7月4日のミサイル発射です。あっという間に技術をあげてきている北朝鮮の軍事力の謎は深まり、脅威が増しているのです。7月28日のICBM上空3700㎞を超える高さまで打ち上げられ、宇宙ステーションの5倍の高さまで飛行高度が上がっているのです。飛行時間も47分程度。大変な出力のロケットエンジンが開発されたことがわかります。

日本への脅威は?

日本のことだけを考えると、北朝鮮が日本の国内にミサイルを撃ち込むならICBMなんて必要ありません。

北朝鮮から日本の北海道の東の端から沖縄まで、1500㎞の射程距離を持つノドンで十分な射程距離なのです。ノドンとは準中距離弾道ミサイル(MRBM)で、北朝鮮が開発したミサイルです。旧ソ連のR-17短距離弾道ミサイルを北朝鮮が拡大改良したもので、北朝鮮は外貨獲得のために、このノドンをイラン、パキスタン、リビアなどに輸出していたようです。

輸出できるくらい量産しており、なおかつ、すでに実戦配備が可能で、即応性(できるだけ早くミサイルを発射できること)があるのです。

日本の上空を越えていった北朝鮮のミサイル

記憶にある方もいると思いますが、北朝鮮のミサイル問題1993年金日成政権時代から始まります。何度となく、日本海にミサイルが発射されていますが、日本の上空を越え太平洋に落下したミサイルもあります。

・1998年8月には中距離弾道ミサイル「テポドン1号」

・2009年4月に中距離弾道ミサイル「テポドン2号」の改良型

どちらも太平洋に落下し、日本でも大騒ぎになりました。日本では、北朝鮮のミサイル発射実験の回数があまりにも増えたので、日本が被害を受けないようにパトリオット(PAC-3)イージス艦による迎撃態勢を整えるようになりました。

まとめ

ICBMは、限られた国しか保有していない、1万㎞の彼方まで射程距離を持つミサイル。日本は、現憲法では迎撃するなど防衛手段を講じるしか身を守る手段はありませんが、アメリカは自国に核兵器が使われる可能性が高くなるなら、武力行使が考えられます

アメリカ本土というのは、第二次世界大戦でも空爆も地上戦も経験していません。そして、現状、ICBMを迎撃する手段は無いと言われています。様々なファクターを考慮すると、アメリカの大統領がだれであっても「自分が大統領の時に、アメリカにミサイルを撃ち込まれる歴史は残したくない」と、考えるのではないだろうか?と、筆者は考えます。